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【事業アイデアの創出#04】マーケットドリブンで発想する

本シリーズでは7回に渡って、事業アイデアの創出について手法や事例をご紹介いたします。


・新規事業創出について検討したいが、どこから始めればいいかわからない

・新規事業チーム内の共通認識を作りたい


といった方々のお役に立てますと幸いです。


本シリーズ・事業アイデアの創出に関する記事の一覧


マーケットドリブンなアイディエーションとは


マーケットドリブンなアイディエーションは、ユーザードリブンとも言われます。これらは市場や顧客に何が受け入れられるかを軸に製品やサービスの開発を行うことを指します。自社で顧客を抱えており、ヒアリングや調査を実施しやすい場合などにオススメです。



また、マーケットドリブンでのアイディエーションはデザイン思考的なアプローチといえます。 顧客は何を本当に求めているのか? 何に困っているのか? をリサーチやヒアリングで深掘りしながら製品やサービスのアイデアを発想していきます。


マーケットドリブンなアイディエーションの流れは下記のように説明することができます。市場や業界・テーマを決定し、顧客の定義を行ったら、彼らを徹底的に理解し・共感する中で、彼らが抱える課題を解決することを目指すのが、アイデア発想の起点となります。



マーケットドリブン・イノベーション事例:ゼネラル・エレクトリックヘルスケア


デザイン思考を活用したマーケットドリブン・ユーザードリブンなイノベーションの事例として、アメリカ、ゼネラルエレクトリックヘルスケアが取り組んだMRI装置に関する問題を解決したケースをご紹介します。同社ではMRI装置を開発し医療機関に提供していますが、提供先の医師から「MRIを受診する子どもたちが怖くて泣いてしまう」という相談を受けました。


MRIは大型の機械で、磁石を回転させながら診察を行うため、受診中は暗闇の中大きな騒音に耐えなければならず、大人にとっても苦痛を感じる体験です。まして子どもたちが恐怖で泣いてしまうことは当然のように思えます。正しい検査を受けるため、MRIを受診する子どもたちの約80%が、事前に鎮静剤を打たなければならないという現実を知った同社のチームは、大変大きなショックを受け、問題の解決に向けて子どもたちへの聞き取り調査を開始しました。


子どもたちへのヒアリングを通じて、「元気になったらスポーツや色々なところに出かけたい」といった想いや、医療機関が持つ暗く重いイメージが子どもたちに恐怖を与えていたことを突き止め、MRI受診の体験を海賊船での物語に一変させました。MRI装置と検査室の壁に絵を描かせ、まるで海賊船の中のように仕上げ、受診中の時間を子どもたちが悪い海賊に見つからないようじっと隠れているといったアトラクションのように変えました。



こうした取り組みから、鎮静剤を打つ子供は10%にまで減少し、医療機関のオペレーション効率が上がり、1日に検査できる子供の数が増え、病院にとっても喜ばしい成果をもたらすことになりました。


こうした事例から、課題を解決するためには顧客への深い理解が重要であること、顧客の抱える障壁を取り除くことがマーケットドリブンイノベーションの特徴であることがわかります。


次回:アセットドリブンで発想する


次回は「アセットドリブンで発想する」についてご紹介させていただきます。


 

【参考書籍】

 ・秦充洋『事業開発一気通貫 』日経BP出版、2022年・北嶋貴郎『新規事業開発マネジメント』日本経済新聞出版、2021年

・前野隆司 『システム×デザイン思考で世界を変える 慶応SDM「イノベーションの作り方」 』 日経BP出版、2014年


・ロベルト・ベルガンティ 『デザイン・ドリブン・イノベーション 』クロスメディア・パブリッシング、2016年

・ロベルト・ベルガンティ 『突破するデザイン あふれるビジョンから最高のヒットをつくる 』日経BP出版、2017年


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